本気の挑戦

実は１月２０日、サッカーの練習日に「選手育成コースセレクションのご案内」という紙を持ち帰ってきた。

試験があって、合格すればサッカークラブのUー１０選抜チームで練習が出来、試合に出ることになる。
今までとは違う練習場になり、週１だった練習が週３になる。
練習内容も楽しいサッカーから、厳しいサッカーになるとコーチから聞いてきたみたい。

参加資格は「サッカーが大好きで、育成チームでプレーしたい気持ちが強い子」

だいちはその日のうちに、迷うことなく私にきっぱりと言った。

みんなと離れ離れになるのは寂しいけど、だいち１人だとしてもテストに合格して、強いチームに入りたい。
だいちはサッカーが大好きだから、誰にも負けたくない。

私はその言葉とまっすぐな眼にすごく感動した。本気なんだな、と思った。

テストの課題はウォーミングアップ、５０M走、リフティング、ゲームなど。と書いてあった。
それで慌てて、手つかずでいたリフティングの練習をしていたのだ。


２月１８日

遂に迎えたテストの日。

とても寒い日だった。

テストを受けたのは全部で３０人ちょっと。
毎学期ごとの試合で、他の地区のチームで目立っていた子が何人もいた。
レベルが高そう。
本気で入りたい子だけが集まっているな。と感じた。



だいちのサッカークラブからは４人が参加。

いつもはとっても仲良しな仲間なのに、この日ばかりはライバルでもあり。

まだ２年生だというのに、みんなの一生懸命な空気がひしひしと感じられて、観ているのも辛く感じた。
しかも本格的なテストで、コーチが７・８人、何やらチェックボードに記入してるし、終了まで２時間以上もかかった。



途中からは雪まで降って来て、ただでさえ緊張しているのに寒さもこたえただろう。

観ていた感想では、だいちの合格出来る可能性は五分五分っていう感じ。
上手な子がやたら目立って見えたし、いつものようないい動きが出来ていなかったような、リフティングもイマイチだったし、アピールポイントの５０M走もたまたまペアになったけいた君と同着だったし、ただ、ゲームでは２得点していた。

テストの日が来るまでも気が気じゃなかったけど、テスト当日もドキドキしっぱなしで、しかも結果がわかるまで少し日にちがかかるとのこと。



そしてそして、遂に今日、サッカーの練習から帰って来て晩ご飯を食べ終えた頃に、電話がかかってきた。

結果は・・・・・・




合格！！！


しかも仲良しのけいた君と一緒に合格していた！！！

合格者はたったの１０名。

すごいすごいっ！
だいちも嬉しくて泣きそうな顔をしていた。

いつもいつもサッカーの練習ばかりしていた２人。
親友であり、ライバルでもあり。

３年生になるまでは今までのチームに所属。

３月には試合があるから有終の美を飾ってほしい。

おめでとう！